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シンゴジラ感想 その1(ネタバレあり) minira(管理人) 08/03水21:57[2410]選択

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シンゴジラ感想 その1(ネタバレあり) 
名前: minira(管理人)      
日付: 2016/08/03水21:57[2410]

“ 街を破壊しているわけではない、ただエネルギーを求めて歩いているだけ。”


まず音楽・音響方面から思ったこととか、ゴジラという存在についてちょっと書いたりします。

、、、って、うっかりしてたらサントラ盤どこも品切れなんですね。
なので、本編観た印象です。


伊福部昭先生の曲、使われてるらしいってのは、うすうす耳にしてましたが、
思ったよりいろいろ使われてましたね。
しかもオリジナル音源。

鷺巣詩郎氏のお話だと、ステレオ化も試みられたってことですが、
音声をデジタル的にってことではなくて、コピーされたってことなのでしょうかね。

自分も円谷プロ関連であれこれ曲のコピーは作らせていただいてましたが、
やっぱり楽譜的にコピーすることは出来ても、昔の音の感じを再現するってのは、かなり難しいというか不可能に近いところありますねぇ、とくに古い音源だと。


劇中の使用部分で、一番おもしろいと思ったのは、
あの、形態変化で最初に立ち上がるあたりに使われてた、
「ゴジラ」M14ゴジラ上陸の曲ですね。

最初の形態、なんか目がかわいい印象があって、
(顔出た瞬間、ガメラのトトを連想しましたけど、、)
立ち上がって変化が始まり、この曲がかぶると、一気に不気味さが増しましたね。
そこで特異な生物なんだ、ってのをすごく認識させられるというか。
効果音もたしか、初代ゴジラの咆哮音とか使われてましたよね。
それも、キャラクター的に出来上がってる、あとの声よりはハマってる感じでした。

効果音で言うと、自衛隊攻撃のところの爆発音も、東宝特撮でよく使われる、東宝の爆発音っぽいのが使われてましたね。


次のゴジラ鎌倉再上陸の後には、懐かしい昭和ヒーローゴジラの曲が(「メカゴジラの逆襲」M13ゴジラ登場)。
いわゆるゴジラのテーマは、もう近所のおばちゃんも口ずさむくらいに浸透してますが、
このちょっとアレンジされたバージョン、見た一般の人はゴジラのテーマって気付くかしら、、
ってなことが頭をよぎりました。


エンドロールでゴジラM1が鳴って、よくあるパターンでこの曲終わりで鷺巣氏の曲に変わるかなと思ったら、まだまだ続きましたね。
最後はまさかのVSメカゴジラのテーマ!
本編全然関係ないと思うんですけど 笑、監督もこれお好きなのかしら。。


鷺巣氏の曲は、まずエヴァンゲリオンの曲も登場しましたけども、(会議室の場面だし、人によっては踊る大捜査線って思うかも?)

一番、場面描写含め気に入った曲は、予告でも使われてるコーラスの曲ですね。
鷺巣氏によると、他のも試されたけどこういう曲が一番合って盛り上がったってことで、
自分も観ててここですごくゴジラを感じました。


以前書いたことがあったか忘れましたが、
とても記憶に残った言葉で、
確かキネマ旬報の記事だったと思うんですが、

VSシリーズで、毎年恒例でお子さん連れてゴジラを見に行ってたお母さんが書かれてた文章で、
あるとき見終わってお子さんが、


「おかあさん、なんでゴジラって悪いやつなのに、やられるとかわいそうなんだろうね」


詳細までは理解できないまでも、
子供なりにそういう部分は感じ取ってるようだっていうお話。


ぼくは自分の中では、ゴジラってそういうことかな、って思うんですよね、
このお子さんの言葉がすごくそれを表現していて。


街を破壊しているわけではない、ただエネルギーを求めて歩いているだけ。

それだけで人間からは襲来者として認知され、排除、抹殺すべく激しい攻撃を受ける。

こうなってしまったのは、人間のせいだというのに。


あの、地面に向かって火炎を噴出するゴジラ、
そういう怒りや悲しみを激しくぶつけているかのように見えて、
とても心動かされました。

そして、
悲劇のコーラス曲がまさにその心情を表してるようで、、

そんな状況に置かれたら、もう火吹いて暴れるしかないじゃないですか。


これがゴジラの悲劇。

日本のゴジラですね。


(感想その2につづく)


参考ニュース記事:
「あの名作アニメの曲が『ゴジラ』に!作曲家の語る庵野秀明の一手」こちら




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